2017年03月29日

勝利が迫ってくるひとときだっ

 
勝利が迫ってくるひとときだっ
た。た。この友は下劣きわまりない一時的な束縛からついに遁れ、最果《さいはて》のエーテル界にまで呪わしい圧政者のあとを追う準備をして、宇宙を揺るがしかねない、すさまじい復讐を企てているのだった。こうしてわたしたちはしばらく漂ったが、するうちわたしは、何かの力が、わたしに地球――わたしが行きたいとも思わない場所――のことを思いださせているかのように、わたしたちのまわりのものがすこしぼやけて薄らいでいるのを知った。わたしの近くにいる実体もその変化を感じているようだった。次第に話を結論のほうにもっていき、その場から離れて、ほかのものよりはいささか遅い速度でわたしのまえから消えようとしていたからだ。さらに思考が交換され、そしてわたしは、輝くものと自分とが、また絆をとりもどすことを知ったが、わたしの光の兄弟にとっては、それが最後のものになるのだった。みじめな惑星における外皮がほとんどなくなってしまっていて、一時間もしないうちに、わたしの光の兄弟は自由になり、圧政者を追って銀河を抜け、無限の果にまで星ぼしをあとにしてつき進んでいくのだ。
 はっきりしたショックがあって、わたしは薄れゆく光の情景の印象をなくし、突如としていささか罰がわるそうに目を覚まして、寝椅子に横たわる瀕死の男がすこし体を動かしているのを知った。ジョー・スレイターは事実目を覚ましつつあったが、おそらく搬屋これが最後の目覚めだと思われた。よく見ると、青白い頬にまえにはなかった色が輝いていた。唇もいつものようには見えず、スレイターよりも強い性格の力によるかのように、堅くひきしめられていた。顔全体がこわばりはじめていて、目をつぶったまま、絶えず頭を揺り動かした。
 わたしは眠っている看護婦をおこさずに、夢を見ている者が伝えようとしているかもしれない、最後の思考を捕えるつもりで、すこし位置がずれた「テレパシー・ラジオ」のヘッドバンドを調整しなおした。わたしがそうしたとたん、顔がわたしのほうを向き、目が開いたので、わたしは愕然《がくぜん》としてただじっと見つめた。キャッツキルの堕落したジョー・スレイターだった男が、青の色が微妙に濃くなったように思えるうるんだ目を、大きく見開いて、わたしを見つめていたのだった。その眼差には狂気も頽廃《たいはい》の色もなく、わたしは自分の見ている顔の背後に、高次の活動的な精神があることを、まざまざと知った。
 この段階で、わたしの脳は、外部から着実に作

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Posted by のために曲を作ってください at 12:07│Comments(0)金融,職場生活
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