「アルガー人は遊牧民だ」小男が説明した。「かれらはこんな形の箱馬車に住んで家畜を追って暮らしている。〈砦〉はマーゴ人にとっては格好の攻撃目標だ。あれはそのために建てられたのさ
。まったくもって実用的だと思わんかね。そうすれば何もいちいちこの広い平原全部を見張っていなくともすむんだ。マーゴ人はいつも〈砦〉を攻撃してくるしやつらを一掃するには実におあHIFU技術,是一項全新的拉提緊膚、抗衰除皺技術。在治療深度上,電波拉皮只能作用在3mm的真皮層,而超聲波穿透力強,可精准定位地作用在真皮層和4.5mm的SMAS層;
つらえむきの場所だ」
「だがいつかマーゴ人だって気づくんじゃありませんか」ダーニクは疑わしげに言った。
「むろん、そうだ。だがそれでも連中は〈砦〉に引き寄せられてあそこへ行かずにはいられないのさ。中がもぬけの殻だとはどうしても信じられないらしい」シルクはちらりとイタチのような笑
みを見せた。「マーゴ人たちがいかに頑固かきみだってよく知ってるだろう。まあ、とにかくそうしているうち、アルガーの各氏族で一種の競争のようなものが行なわれるようになった。毎年か
れらは石を積む高さを競いあい、かくして〈砦〉はますます高くなりつつあるというわけだ」
「カル=トラクは本当に八年間にもわたって包囲したのかい」ガリオンがたずねた。
シルクはうなずいた。「トラク軍が〈砦〉に押し寄せてぶつかるさまは、アンガラクの海の大波が打ち寄せて砕け散る光景を思わせたそうだ。まあ、そのまま包囲していてもよかったんだが、
食糧が底を尽いてしまったんだ。大きな軍隊じゃいつも問題になることだな。軍を起こすのは簡単だが、めしの時間になるとたちまち大混乱におちいるのさ」
かれらが人工の山に近づくと同時に、門が開き、出迎えの一団があらわれた。白い乗用馬に乗りヘターを従えて先頭にたっているのはシラー王妃だった。かれらはある地点まで来ると立ち止ま
り、そのまま馬車が近づくのを待った。
ガリオンは箱馬車の小さな戸をはね上げた。「着いたよ、ポルおばさん」かれは小声で知らせた。
「そう」彼女は答えた。
「おじいさんの容体はどうだい」
「眠っているわ。呼吸は少ししっかりしてきたようね。チョ?ハグに一刻も早く中へ入れてもらうよう言ってちょうだい。できるかぎり早くおとうさんを暖かいベッドで寝かせたいのよ」
「わかった」ガリオンははねあげ戸をおろすと、まだゆっくり動いている馬車の後ろの踏み段をおりた。かれは自分の馬の手綱をといて飛び乗ると、正面の柱の前で穏やかに夫を迎えるアルガー
王妃のもとへ走っていった。
「失礼します」かれは馬からおりながら丁重に声をかけた。「おばが一刻も早くベルガラスを収容させたいと言うのですが」
「具合はどうなんだ」ヘターがたずねた。
「呼吸はしっかりしてきたらしいけれど、ポルおばさんはまだ心配しているみたいだ」
〈砦〉で出迎える一団の後方から慌ただしいひづめの音がした。ガリオンの目の前にマラゴーの山中で生まれた小馬の姿があらわれたかと思うと、勢いよく走り寄ってきた。次の瞬間かれは小馬
のあふれんばかりの歓迎を受けていた。小馬は鼻をなすりつけ、あるいは頭で突き、かれの前後をはねまわった。ガリオンが興奮を沈めようと手をのばすと、その感触に小さな体を震わせて喜び
をあらわした。
「こいつはずっときみのことを待ってたんだ」ヘターが言った。「きみがいつくるのかもわかっていたらしい」
箱馬車はゆっくりと止まった。はね上げ戸があがり、ポルおばさんが顔を出した。
「用意はすべて整っていてよ、ポルガラ。